請求書だけでは、取引の全体は分からない

売掛金の残高が長く残っているとき、最初に請求書を確認するのは自然です。ただし、請求書があることと、取引の条件や完了時点が確認できることは同じではありません。契約書、注文書、見積書、納品書、検収記録など、請求に至るまでの資料をそろえます。

口頭やメールで条件を変更している場合は、その経緯も確認します。請求金額、支払期日、振込先、相手先の請求窓口に食い違いがないかを見ます。

残高と入金履歴をつなぐ

売掛金台帳と銀行口座の入金を照らし、どの請求に対する入金かを確認します。一部入金、相殺、値引き、返品がある場合は、元の請求額と現在残高がどのようにつながるかを記録します。複数の請求があると、古い残高だけが残っていることもあります。

支払期日を過ぎた回数や期間だけでなく、過去に同じ相手先から予定どおり入金されていたかも見ます。今回だけの事務的な遅れなのか、遅延が繰り返されているのかで、確認の優先度は変わります。

連絡記録を時系列にする

相手先へ連絡した日、連絡手段、回答した人、示された支払予定日、その後の入金結果を時系列にします。担当者の記憶だけに頼らず、メール、書面、社内メモを残します。回答が変わっている場合は、いつ、どのように変わったかを確認します。

連絡が取れない、請求内容に争いがある、法的な請求や代理交渉が必要な場合は、弁護士などの専門家へ相談します。対応を続ける前に、資料と経緯を渡せる状態にしておくと、相談時の確認が進みやすくなります。

相手先と保全状況に関する資料

相手先の会社情報、所在地、事業状況の変化など、公開情報や取引を通じて把握している内容を確認します。担保、保証、信用保険がある場合は、契約内容と手続期限を確認します。これらは回収を保証するものではありませんが、選択肢を検討する材料になります。

社内では、今後の追加受注や出荷をどうするか、誰が判断するかも決めます。既存残高への対応と、新たな売掛金を増やす判断を分けないことが必要です。

資料がない箇所も、そのまま記録する

取引が長く続いていると、古い契約書が見つからない、条件変更の記録がメールだけに残っているといったことがあります。資料がない状態を推測で補わず、確認できる事実と確認できない部分を分けます。相手先へ確認した内容も、回答日と担当者を残します。

経緯表には、債権額、発生日、支払期日、一部入金、連絡日、相手先の回答、次の確認日を並べます。担当部署が複数ある場合も、一枚の時系列で見られると、同じ確認を繰り返したり、回答の変化を見落としたりすることを防げます。

資料を集める間も時効や保険の通知期限などが進む可能性があります。法的な期限や手続の判断が必要な場合は、資料がすべてそろうのを待たず、弁護士や保険会社などの専門先へ確認します。

保有を続けるか、売却を検討するか

当社は第三者の債権回収代行、法律判断、代理交渉を行いません。非特定金銭債権については、契約・請求資料、発生経緯、入金履歴、相手先の状況などを確認し、買取の可能性を検討します。売却できるか、どの程度の価格になるかは、資料を確認したうえで個別に判断します。